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上州座繰り糸はたおり記・1・



<精錬・灰汁練り>2003年12月


節の少ない糸・カバーリング・200デニール479g
節の多い糸・カバーリング・200デニール552.2グラム

以上18カセ、約1キログラムの糸を用意する。
驚くほどのセリシンによる硬い糸。ポキッと折れてしまいそうなほど。


灰汁はお正月の平石邸のケヤキの木灰を使用。

かすかに黄茶色の極透明な液が出来た。アルカリ分はどのくらいあるか分からないが指につけると少しヌルヌルとする程度の液体。
すこし熱くなるまで熱してから糸を入れる。


前もって灰汁に浸してた絹糸を鍋に容れ、ゆっくりと繰る。
すぐにセリシンが溶け始め液が薄茶色に濁ってくる。

沸騰するまで熱し続けるが糸が絡まないように見届ける。
気が抜けない作業。


温度が上がりセリシンも溶け始め,、カセが隣りのカセと付くようになってきたら鍋を別にする。

そしてゆっくりと1カセずつ精錬の仕上げをする。
白色を染めるように・・・


ぬめりが無くなり、張り詰めていた糸の緊張がほぐれ、絹糸の光沢が現れてきたら精錬終了。

ゆったりとお湯の中で揺らしていると絹糸の“ふぅ〜”とため息が聞こえてくるような・・自分が作業を無事終えてほっとする瞬間。


よくはたいて風に当てる。

直射日光よりも木漏れ日のほうが安心して干しておける。

絹の美しさ、お蚕の偉大さ、あらためて自然のなせる業に感激する。


そして、この糸を繭からひいてくれた人たちに感謝する。

染めてしまうのがもったいないほど美しい。

しばらくはこのまま眺めることにする。

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