.....(くぬぎ)の実.....

2003年10月

採取場所、足立神社、くぬぎのどんぐり、2002年と同じ
目次の<くぬぎ’02>を参照・どんぐりの種類


薪炭用として植林されている場合が多い。
今年は笠と実を分けて染めてみる。


先客あり(子供たち)でなかなか集まらない。実の中にも先客あり。虫が入っている実が多い。


風の強い日にはぽとっ!と音をたてて落ちてくる。どんぐりだけでなく毛虫も落ちてくる。
近頃めっきり見かけなくなった蟻もここでは健在!

梨木香歩・佐藤さとるのファンタジーの世界に近づくような風景。
生き物がたくさんいる。正に“森は生きている”という世界。

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・・野ネズミから実(身)を守っているタンニンとは?・・

植物の樹皮、枝葉、果実、幹材などから得られる革をなめす性質のある物質をいう。
渋ともいう。水に良く溶ける。五倍子(ごばいし)矢車附子(やしゃぶし)などに特に多く含まれるが、 植物の
ほとんどのものに含まれている。そのために草木の大部分が染色に利用できるわけである。 五倍子などタンニンを比較的純粋に含んでいるものは鉄媒染によって紫黒色系の色になり、
楊梅(やまもも)のようにタンニンと黄色色素を含んでいる場合はオリーブ色系の色になる。
このようにタンニンの多少の度合いと色素の含む度合いによって鉄媒染したものは、
植物の1つ1つが違った複雑な色相を染め出すことになる。草木染事典(山崎青樹著)

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平安時代になると、黄橡に茜が加えられた赤味を帯びた茶色で貴人の袍(ほう)や直衣(のうし)を染めたことが『延喜式』縫殿(ぬい)寮に見られる。

同じく内蔵(くら)寮には「搗橡五斛五斗七升」の記述があり、実をくだき、湯を加えて使用したものと思われる。

また、当時、橡で染めた、「鈍色」は凶事の服色とされ、諒闇(りょうあん)すなわち天皇の父母の喪に服するという最も重い喪に用いられた。

『栄華物語』日陰の鬘の条に、寛弘8年(1011)冷泉院崩御のおりの模様が「世の中みな諒闇になりぬ。殿上人のつるばみにうへのきぬの有様ども、烏などのように見えてあはれなり」と記されている。<吉岡幸雄著・自然を染める・参考>

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