.....ミロバラン.....

2004年12月

香りを楽しむ草木染



しくんし科
学名:Terminalia  
英名:Myrobalans
細かく砕いたものを染料店で購入。


木は大きいようだが実は小ぶりらしい。
吉岡幸雄著:「自然の色を染める」から写真を拝借


炭酸カリウムを入れて煮出す。
砕いた実は柔らかくなるが何回煮出してもかなり色が出る。


帯揚げを染める。
生の植物とは違った香りが漂う。薬草らしい体に効きそうに思える。
草木染の楽しみ方のもうひとつは香りかもしれない。


タンニンが多く含まれているので綿にも染まる。
グアテマラの綿の布で作った半襟を染めてみる。


鉄媒染で思ったよりも紫がかった色に染まる。
乾くまでは驚くほどの黒色だった。

......ミロバラン......

インド北部からビルマの森林に自生する、和名をカラカシと呼ぶシクンシ科の喬木の実の英名。
ナツメの実くらいの大きさで水雷形をしており、皮質は固く果実には多量のタンニンを含んでいて、熟したものでは48〜52%、未熟なもので42〜50%といわれている。
タンニン酸の含有率が高いため、古くからなめし皮に用いられ、薬用として使われていた。
日本でも、正倉院伝来の薬物の中に「呵梨勒」(かりろく)と呼ばれているものがある。これはミロバランのことである。
『新修本草』には「呵梨勒・苦味・温・無毒・主冷気・心腹腸満・下食・生交・愛州」とあり、漢方医薬として健胃剤、収歛剤、下痢腹痛薬を代表するものであった。
ミロバランの産地のインドでは更紗の下染めに用い、タンニン酸の効果によりインド茜の染色を容易にした。
花も染料になり、果皮よりも黄味が強く、インド更紗の黄色系にはこれが多く使われてる。
<吉岡幸雄著・自然の色を染める・参考>
訶梨勒(かりろく)

新年や慶事の席の床に「訶梨勒」という袋物が飾られることがある。室町幕府八代将軍・足利義政に仕えた同朋衆が記したといわれる『御餝書(おかざりしょ)』に「一かりろくとて柱飾なり」とあるように、室町頃にはすでに書院の柱飾りとなっていた。邪気を払うといわれ、現在では匂い袋の一つにもなっていますが、じつはこの訶梨勒は、奈良時代に鑑真和上が将来した、インド伝来の秘薬にルーツがある。
文化二年(1806)の奥書のある『懸物図鏡』には懸物としての「訶梨勒」について「慈照院(足利義政)のお好みで作らせた物で、霊綿綏(れいしさい)ともいう。訶梨勒は水毒を避け緒病を治す。これを粉末にして酒に入れて飲むと気を鎮める。昔は訶梨勒を糸でつないだだけのものを使っていたが、義正の時から袋の中に納めるようになった。」と書かれている。
いずれにしろ、古来、薬用の実として大切に保存されていた訶梨勒が、しだいに形を替え、緒病を治す霊力を尊ばれて床飾りにまでなったものと考えらる。袋の中には訶梨勒の実(訶子ともいう)が入っている。その数12,これをうるう年には13個にすると言い伝えられてきた。

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